第122章

「……遠山様、いかがなさいました?」

野山様が問いかける。その認識では、この誘惑を断れる人間などいるはずがなかった。

「野山様……話が大きすぎます」遠山景幸は慎重に言葉を選ぶ。「一度持ち帰って、考えさせてください」

野山様はわずかに目を丸くしたが、すぐに口元を緩めた。

「いいでしょう。考える時間は差し上げます」

一拍置き、声の温度だけを落とす。

「ただし遠山様、時間は貴重です。競売はもうすぐ始まる。いつまでも待てません。遅くとも明日までに、返事をください」

遠山景幸は小さく頷き、席を立った。

「では、失礼します」

「車を出させましょう」野山様も立ち上がる。「遠山様、よくお考...

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