第125章

「夢でも見てるの?」

平原綾香の返答は、松村明也の頬を張り飛ばすみたいに痛烈だった。

松村明也の笑みが、ぴたりと固まる。次いで、その目が危うい色に沈んでいった。

「……今、なんて言った?」

一歩、距離を詰める。声も低く落ちた。

「夢でも見てるって言ったの」

平原綾香は怯まない。言葉を選ぶ気配すらなく、一語一語を突き刺すように繰り返す。

「自分が何者だと思ってるの? あなたに、その資格がある?」

松村明也の顔から、血の気が引くように消えた。

「平原綾香」

ゆっくりと名を呼ぶ声に、押し殺した怒りが滲む。

「誰に向かって口を利いてるか、わかってるのか?」

「わかってる」

...

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