第149章

松村グループ本社ビル最上階の会議室。長いテーブルの両脇には人がずらりと並び、常任取締役だけでなく主要株主の代理人まで揃って、席は一つ残らず埋まっていた。

平原綾香は議長席に座り、凪いだ水面のように静かな目で全体を見渡す。

沈村雨も出席していた。長テーブルの反対側、隣には松村明也。

右脚にはまだ包帯が巻かれているが、顔色は悪くない。むしろ、面白い見世物でも待っているかのような余裕が滲んでいた。

「皆さま」

平原綾香が口を開く。

「本日の株主総会では、まず重要なルールについて採決をお願いしたいと思います」

一拍置き、淡々と告げた。

「松村グループの定款に一条追加します。道徳に反す...

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