第38章

「……あの絵、光探しの作品ですって!?」

宴会場が一瞬でどよめいた。さっきまで嘲笑の的だったキャンバスへ、全員の視線が吸い寄せられる。

競売人も呆然とし、思わず半歩下がって見入った。

「ま、まさか……本当に光探しだ!」

「光探しはもう二年近く新作が出てないはずだぞ。これ、新作なのか?」

興奮で手を震わせた年配の男が、競売人へ身を乗り出す。

「スタートはいくらだ! 五百万でいく!」

「五百万!?」と誰かが声を上げた。

別のコレクターが立ち上がる。

「六百万!」

「七百万!」

「八百五十万!」

声が重なり合い、さっきまで誰も見向きもしなかった絵は、瞬く間に会場の中心へ躍り...

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