第41章

平原綾香は思わず口をつぐんだ。まさか平原光が、入学初日にいきなり「保護者呼び出し」を食らうとは。

とはいえ呼ばれたのは光だけで、もう二人の子どもが通う別の学校は、いまのところ何事もないらしい。

綾香が担任のいる職員室へ入った瞬間、いきなり耳に飛び込んできたのは、男と女の怒鳴り合いだった。どう見ても夫婦の修羅場である。

その脇に、平原光と、小太りの男の子が立っていた。

光はというと、完全に観客の顔。にやにやと楽しげに状況を見守っている。一方の男の子は、目を真っ赤にして、今にも泣き出しそうだ。

「だから言ったでしょ! あのブローチ、どこ行ったのかと思ったら――あんたが外の女に渡してたの...

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