第46章

翌日の午前、平原綾香は三人の子どもをベビーシッターと護衛に預け、小さなバッグひとつだけを持って、上村圭と約束した海辺へ車を走らせた。

海岸線の道を進む車の窓から、潮風がさらりと吹き込んでくる。陽射しを受けた青い海はきらきらと揺れ、見ているだけで胸のつかえが少しほどけていくようだった。

上村圭は、すでに海の見えるレストランで彼女を待っていた。

「ここ、景色がいいね」

向かいに腰を下ろした綾香は、窓の外いっぱいに広がる海を見つめ、ほんの少しだけ肩の力を抜いた。

「やっぱり気に入ってくれると思ったよ」

上村圭は微笑みながら、彼女のカップにお茶を注ぐ。

「でも、なんだか浮かない顔だな。...

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