第49章

数日後――。

平原綾香が運営するマネジメントスタジオに、一本のオファーが届いた。

送り主は星耀影業。しかも業界でも滅多にお目にかかれない「Sランク制作」の映画企画で、条件はひとつ――主演は上村圭であること。

綾香は企画書にざっと目を通しただけで、指先が熱くなった。

練られたプロット。現場で崩れない骨格。市場の波に乗るだけの勢いもある。

なにより惹かれたのは、男主人公の役どころだった。複雑で、深い。アクションの比重が重いのに、感情の爆発点もしっかり用意されている。いまの上村圭が求められている「転身」に、これ以上ないほど噛み合っていた。

「受けるわ」

綾香はファイルを閉じ、迷いなく...

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