第54章

「ありえない! 平原綾香、あんたが何様よ! どうして私の居場所を奪えるの?!」

平原寧々は勢いよく踏み込み、そのまま平原綾香を突き飛ばそうと手を伸ばした。

だが平原明広が素早く割って入り、寧々の手首をがしりと掴む。

「寧々! いい加減にしろ!」

「パパ!」平原寧々は信じられないという顔で睨み返した。「この女に私のオフィスを取らせるのに、私のほうを止めるわけ? 頭おかしいんじゃないの?!」

平原明広の顔色が一段と悪くなる。

「黙れ! 今は全体を守るほうが先だ!」

「全体?」寧々は乾いた笑いを漏らした。「パパ、私は実の娘だよ? それなのに、このクズに場所を譲れって?」

平原明広の...

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