第68章

老株主はしばし顎に手を当て、沈吟してからゆっくり口を開いた。

『金が期日までに入って、穴が埋まるなら……話し合えないこともない』

別の株主もすぐに乗る。

『そうそう、平原様。こっちだって別に、根こそぎ叩き潰したいわけじゃない。お嬢さんの会社のことは耳にしてますよ。売上もいい、評判もいいってね。うちが買収して取り込めるなら、グループにとっても悪い話じゃない』

『若いのが攻めるのは結構。ただ、やり方が拙かっただけだ。金さえ入って、帳尻が合って、帳簿がきれいになれば……同じ釜の飯を食う仲間だろう?』

あちこちから言葉が飛び、張り詰めていた空気が、少しずつほどけていく。

平原明広の胸にの...

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