第69章

平原綾香は俯き、足元に縋りつく平原明広を見下ろした。そっと足を上げ、掴まれていた手をぱしりと払い落とす。

『代わりに口添えでもしてほしいの?』平原綾香は静かに言った。『平原明広。六年前、あなたが上野美咲と手を組んで私を潰そうとしたとき……今日のこと、想像もしなかったの?』

平原明広は床にへたり込み、声を震わせる。

『綾香……父さんが悪かった。父さんが全部悪かった。でも寧々は、お前の妹だろ……! あの子を牢屋に入れるなんて、見殺しにする気か!』

『妹?』平原綾香はくすりと笑った。『六年前、短刀を私の身体に突き立てたとき、あの子は私を姉だと思ってた? 私のオフィスに火をつけさせたときも、...

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