第71章

平原綾香は、本当なら四人の子どもたちを松村家まで送り届けたら、そのままマンションへ戻って休むつもりだった。

けれど平原秋友が、じっと綾香を見上げて目をきらきらさせる。

「お母さん! 最近ぜんぜん一緒にご飯食べてないよ!」

隣で平原雪子も、勢いよくこくこくと頷いた。

「そうそう! ほんとに、ほんとに久しぶり!」

――わかってる。

子どもたちが、自分と松村礼嗣に『機会』を作ろうとしていることくらい。

それに綾香自身、この一か月は平原家の件にかかりきりで、子どもたちとちゃんと向き合う時間が明らかに減っていた。

「……わかった」

綾香は小さく笑って言った。

「じゃあ、みんなでご飯...

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