第76章

休み時間の教室は、いつだっていちばん賑やかだ。

子どもたちは三々五々に固まり、廊下で追いかけっこをする子もいれば、誰かの席を囲んでおしゃべりに花を咲かせる子もいる。

田原絵美菜はランドセルから、細工の凝ったブリキ缶を取り出した。ふたを開けると、中には輸入のお菓子がきっちり並んでいる。

『これ、スイスのチョコ。こっちはアイスランドの干し魚……』

そう言いながら、絵美菜は集まってきたクラスメイトに次々と配っていく。

『わあ、絵美菜ってほんと優しい!』

『そのチョコ、ママが食べてた! めっちゃ高いやつ!』

『ありがとう、絵美菜!』

褒め言葉を浴びるほど、絵美菜の笑みはますます華やい...

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