第84章

田原絵美菜は平原光を不思議そうに見上げ、小さな声で尋ねた。

『どうやって、私の味方してくれるの……?』

年は幼くても、大人の世界がそう簡単じゃないことくらいはわかっている。

家ではお父さんが誰の言うことも聞かない。子どもが何人集まったところで、何ができるというのか。

平原光が口を開きかけた、そのとき。

平原綾香の視線が子どもたちを越え、少し離れた場所で静かに立っている男へと落ちた。

『田原様はあなたのことはご存じなくても、あなたの特別補佐――林原深川さんなら見たことがあるはずです』

松村礼嗣が眉をわずかに上げる。

『わかった』淡々と言い切った。『この件は俺が引き受ける』

彼...

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