第87章

子どもたちが松村お婆さんの周りに集まり、口々に励ましたり笑わせたりしているうちに、お婆さんの顔色は少しずつ戻っていった。

そのとき、低く力のある声が会場に落ちた。

『静かにしろ』

一斉に視線が向く。

松村礼嗣が冷えた表情のまま、大股で歩み寄ってきた。

『真相がはっきりするまで、余計なことを口にするな。もう一言でも騒ぐなら、松村家として黙ってはいない』

言葉そのものが圧だった。

さっきまで騒いでいた数人の貴婦人は顔色を変え、慌てて口をつぐむと、気まずそうに数歩下がった。

松村礼嗣は松村お婆さんへ向き直り、声の温度を落とす。

『お婆さん、焦る必要はない。これは明らかに、誰かが仕...

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