第90章

平原光は一拍置いてから、淡々と告げた。

『やっぱり、誰かがバーチャル番号でお母さんに偽のメッセージを送ってた。そこから辿って、送信に使われた端末の位置を割り出した。ここだよ』

平原綾香は驚きと安堵がいっぺんに押し寄せ、胸を押さえた。

『みんな無事でよかった……!』

田原絵美菜は少し離れたところに立ったまま、恐る恐るその光景を見つめていた。小さな顔には、羨望がありありと浮かんでいる。

平原小春が母の腕の中からひょこっと顔を出し、絵美菜に向かって手を振った。

『絵美菜もおいでよ! これ、わたしのお母さん!』

田原絵美菜は迷ってから、ちょこちょこと近づき、消え入りそうな声で言った。

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