第100章

石塚勝矢は、彼女からすぐに視線を引きはがした。

乙村彩羽は胸の奥で、思わずふっと息をつく。視線を落とし、足早に自室へ戻った。

スマホを取り出して陸田清人にデザイン案の件を聞こうとした、そのとき――コンコン、と扉が叩かれた。

乙村彩羽は立ち上がり、ドアを開ける。

「田村さん、何か?」

田村は困ったように、廊下に立っていた。

「乙村さん、まだ勤務時間中ですよ」

乙村彩羽は眉をひそめる。

「でも、今日の仕事は終わりました。ほかに何をすればいいんですか?」

今日の担当は庭の手入れだけだった。丸一日、花や草を剪定していたのだ。これ以上、何をしろというのか。

田村は気まずそうに顔をし...

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