第107章

丸一日、乙村彩羽の頭の中には木宮朱理のあの言葉がこびりついていた。

――あなたの両親の居場所、知ってる。

出所してからというもの、彩羽はずっと両親の消息を追い続けてきた。手を尽くして、足を使って、それでも何ひとつ掴めないまま。

それが今、ようやく希望の糸が垂れてきたのだ。

石塚家を出れば、木宮朱理が両親の行方を教える。

本当か嘘かなんて、今の彩羽にはどうでもよかった。万に一つでも可能性があるなら、掴みにいくしかない。

けれど、これまで何度も石塚勝矢に「出ていきたい」と告げては、すげなく拒まれてきた。

どうすれば出られるのか。考えても、答えが出ない。

陸田清人の名が脳裏に浮かぶ...

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