第112章

木宮朱理が口を開こうとするたび、陸田清人は「ほら、これも」と取り分けるのを口実にして料理を皿へ置き、言葉を飲み込ませた。

ようやく食事が終わり、朱理は箸を置く。向かいの男を疑うように見つめた。

「これで、陸田グループも動いてくれるんですよね?」

陸田清人はスマホを取り上げ、ちらりと画面を確認する。

「そろそろだ」

立ち上がり、淡々と言った。

「こちらからは指示を出してある。じきに動きがあるはずだ。木宮さんはチェックしておくといい」

「午後に会議がある。先に失礼する。木宮さんはごゆっくり」

そう言い終えるや否や、朱理が反応する間も与えず背を向けて出ていった。

その背中を見送る...

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