第131章

乙村彩羽は、向かいから注がれる視線に気づいても、気にも留めなかった。

刑務所で過ごした三年で、他人に見られながら自分のことをするのには、とっくに慣れている。

あそこでは、食べるのが遅いだけで絡まれないか――そんなことまで気にしなければならなかった。

出所してからは、その心配がない。だからこそ彼女はわざと箸をゆっくり動かし、荒れた胃を労わるように食事の速度を落としていた。

陸田清人が何か言ってくると思っていたのに、食事が終わるまで、彼は一度も口を開かなかった。

男は食べ終えると、面白そうに頬杖をつき、乙村彩羽が食べる様子を眺めていた。まるで景色でも眺めるみたいに。

「ごちそうさまで...

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