第146章

街並み

高橋遠矢は車内で二人を待っていた。ふと視線を上げると、石塚勝矢が遠くから歩いてきて、そのまままっすぐ乗り込んでくる。

数秒待っても、木宮朱理の姿は見えない。

高橋遠矢は恐る恐る口を開いた。

「若様、木宮さん……」

言いかけたところで、ルームミラー越しに石塚勝矢の陰りきった表情が目に入る。高橋遠矢は気まずく残りの言葉を飲み込み、ついでにもう一度、ドレスショップの方角を見やった。

昨夜遅く、若様から「明日ドレスを見に行く」と電話が来た時点で、機嫌が良くないだろうことは察していた。

だが、ここまでとは。

まだ出てこないということは、試着が終わっていないのだろうか。

それな...

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