第53章

ここ数日、乙村彩羽は石塚勝矢の食事の世話を一手に引き受けていた。

田村は、そのことを少し意外に思っていた。

気のせいかもしれないが、乙村彩羽がこの役目を引き継いでからというもの、若様の食が以前よりわずかに進むようになった気がする。

田村がそんなふうに感慨にふけっていたところへ、木宮朱理からメッセージが届いた。

「乙村彩羽はいつ出ていくの?」

せっかく落ち着きかけていた田村の気持ちは、その一文でまたずしりと重くなる。

このところ、乙村彩羽との関係は表向き穏やかなものだった。

三年前のあの件についても、田村はどちらかといえば自分の若様の態度を基準に考えている。

もし石塚勝矢が乙村...

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