第74章

石塚勝矢はすぐには答えなかった。石塚お父さんの視線が、わずかに不機嫌さを帯びる。

「どうした、黙って。婚約に何か不満でもあるのか?」

石塚勝矢は目を上げ、木宮朱理を一度だけ見た。

「朱理はまだ若い。今すぐ結婚するのは、彼女には少し早い」

木宮武国が笑う。

「なんだ、そんな心配か。朱理はお前より二つ下なだけだろう。今がちょうどいい」

そう言って、娘にからかうような目を向けた。

「知らないだろうが、この子、家でウェディングドレスのデザインばかり見てるんだ。自分の手で、お前たちの衣装を作りたいんだとさ」

木宮朱理は父に心を見透かされ、頬を染めて睨み返す。

石塚勝矢の視線に気づくと...

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