第77章

しんとした沈黙のあと、陸田清人は隣の女に顎をしゃくってみせ、いつものだらしない調子を取り戻した。

「こい」

自分の太腿をぽん、と叩く。

草野博美はぱっと笑顔を作り、さっきまでの冷たさなど気にした様子もなく、ゆったりと彼の胸に身を預けた。

「陸田若様、どう遊ぶ? ここ? それとも上?」

陸田清人は彼女の顎をつまみ、軽薄に身をかがめて頬に口づけを落とそうとする。

その瞬間、テーブルの上のスマホがぶるりと震えた。

陸田清人は、なぜか動きを止めてしまう。

「陸田若様?」

草野博美が不思議そうに促す。

女遊びで名の知れた陸田清人。今日ここへ入ってきた時点で、彼に引き留められる覚悟く...

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