第95章

「よし、できた」

ひと手間かけて、平原由美は乙村彩羽の傷跡をきれいに隠し、ウェディングドレスを着せ終えた。

「ほら、どう?」

由美は彩羽の肩にそっと手を添え、鏡の中の自分を見せる。

彩羽がウェディングドレスを着るのは初めてで、どこか落ち着かないまま目を上げた。

鏡の中では、幾重にも重なる白いスカートが彼女の身体をすっぽり包み込み、いっそう腰の細さを際立たせている。小さな頭に小さな顔。花の陰からひょいと覗いた妖精みたいだった。

横から見ると背中の開いたデザインが、華奢で薄い肩甲骨を一目で浮かび上がらせる。次の瞬間にでも羽を広げて飛んでいきそうで――。

艶やかな美貌に化粧はなく、瞳...

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