第98章

石塚勝矢は母娘を見下ろすように見つめていた。

犬飼亜沙美は最初こそすすり泣きだったのに、次第に声も出せないほど泣きじゃくり、まるで天地がひっくり返るほどの理不尽を受けたと言わんばかりだ。

木宮朱理はただ抱き締められたまま、頬に涙を伝わせている。けれど、母ほど激しくは泣いていない。

「朱理……なんでこんな苦労ばかり……! 全部、ママが守ってあげられなかったせい……」

犬飼亜沙美は泣きながら自分を責め続ける。

その泣き声に頭が痛くなり、石塚勝矢は低い声で切り出した。

「具合はどうだ。まだつらいなら、医者を呼ぶ」

彼にできることは多くない。木宮朱理の発作が出るたび、たいていは傍で黙っ...

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