第401章

「俺ん家の宴会で、俺ん家のホテルが出した料理だぞ。一口二口食っただけで、なんで盗み食い扱いされなきゃなんねーんだよ?」

唐沢翔は胸のつかえを吐き出すように、苛立ちを隠さずに彼女を睨みつけた。

「それでもよ。ここには目上の方もいらっしゃるの。その方たちがまだ箸もつけてないのに、あなたが先に手をつけるなんて、どこの不届き者?」

和泉郁佳はふにゃりと柔らかく身を傾け、華奢な顎を椅子の背に乗せると、小悪魔のように愛らしく笑った。

その笑顔は、まさに唐沢楓と瓜二つだ。

唐沢翔は少しむくれていたが、その笑顔を見た途端、鬱憤など瞬く間に霧散してしまった。

「ねえ見て、古美さんのあの黒と赤のドレ...

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