第408章

あの忌まわしい過去を思い出し、七瀬征龍は怒髪天を衝く勢いだった。七瀬奥さんと、目の前にいるこの愚息を絞め殺してやりたい衝動に駆られる。

「愚か者が!」

七瀬烈司は冷笑を浮かべ、心の中で毒づくと、再び背を向けた。

もうこの件を蒸し返すつもりはない。それは母の屈辱の歴史であり、口にするたび、身を裂かれるような痛みが走るからだ。今回は売り言葉に買い言葉だっただけだ。

もう、どうでもいい。

どうせ奴らは全員、地獄へ落ちるのだから。

……

豪奢で静謐な室内に、艶めかしい気配が充満している。

柔らかな光が、重なり合う二人のシルエットを浮かび上がらせていた。

唐沢楓はこのろくでなしの男に...

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