第409章

「でも、私の母は新田古美のファンだったので、TSチャンネルの周年祭を出待ちしていて、その事件を目の当たりにしたそうです」

水原悟はそれを聞き、胸が悪くなるような思いだった。

想像に難くない。一世を風靡し、万人に崇拝された大女優が、あのような晴れ舞台で粗相をし、尊厳を粉々に砕かれるなど、殺されるよりも辛い屈辱だったに違いない。

「母が言うには、翌日には新聞も雑誌の表紙も、すべて新田古美の醜聞で埋め尽くされていたそうです。ゴミ出しに行けば誰でも手に入るほどに。けれど、ほんの数時間後には、それらがすべて消え失せていた。誰かが回収したのか、どこを探しても見つからなくなったと」

水原悟は目を細...

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