第411章

「あっ、危ない!」唐沢小夜は心臓が止まる思いで叫んだ。

護衛たちは訓練を受けていたが、男もまた只者ではなかった。動きは鋭く、狙いは正確。彼らは一瞬、反応しきれなかったのだ。

だが、唐沢楓だけは即座に反応した。男が獰猛に迫りくる寸前、身を翻して新田古美を固く抱きしめ、己の背で庇ったのである。

風野早由美と千堂澄美が同時に悲鳴を上げた。「楓!」

唐沢楓の心臓が早鐘を打つ。彼女は固く瞳を閉じ、訪れるはずの惨劇を覚悟した。

「ぐっ……」

予想していた痛みはなかった。

代わりに耳元で炸裂したのは、男の荒い息遣いだ。その音が彼女の心臓を鷲掴みにし、激しく揺さぶった。

水原悟……。

そう...

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