第418章

「病院に決まってるじゃないですか。ご存じないでしょうが、社長、大変な修羅場をくぐり抜けてきたんですから」

 網島新は、社長がこの数日間味わった苦難を思い出し、涙ぐみながら言った。

「楓……」

 水原悟は目を開けるなり、自分の生死などどうでもよく、ただ唐沢楓の安否だけを案じていた。

 彼の脳裏に焼き付いている最後の記憶——それは、凶器の鉄パイプを振り上げた暴漢が、獰猛な形相で唐沢楓に襲いかかる瞬間だった。

 その後どうなったのか、彼には分からない。

 自分は彼女を守れたのだろうか。もし万が一、守れていなかったとしたら……死んだほうがましだ。

 網島新は慌てて彼を押さえつけ、必死に...

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