第424章

結局、唐沢楓はこの病室を出ていくことができず、諦めて留まることにした。

「勘違いしないで。私がここに残るのはあなたが引き止めたからじゃない。おじいさんと見華に約束したからよ」

唐沢楓は気を取り直し、ベッドの脇から身を起こした。

「私は隣の部屋で休むわ。何かあったら電話して。すぐ来るから」

水原悟はその深い瞳で彼女を見つめ、慌てて彼女の柔らかな手を掴んだ。

「楓、今夜はここに泊まってくれ」

「ソファは寝心地が悪いし、狭くて眠れないわ」

唐沢楓は力を込めて手を振りほどこうとしたが、抜けない。

「俺たちのベッドで寝ればいい」

男の声は低く、まるで彼女をあやすようだった。

「水原...

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