第440章

「これは罠だ。誰かが俺を嵌めたんだ。スキャンダルをでっち上げて、俺とお前の仲を引き裂くために」

 水原悟は内臓が焼けつくような焦燥に駆られ、必死に弁解した。

「仲、ですって?」唐沢楓は鼻で笑った。「私とあなたの間に、そんなものがあったかしら?」

 男の胸に、鋭い痛みが走る。

「百歩譲ってあったとしても、私たちは離婚して、顔も見たくないほどの関係なのに。引き裂かれるものなんて、最初から何もないじゃない」

「楓、それが本心なのか? 本当にそう思っているのか?」

 水原悟の喉は錐きりで突き刺されたように痛み、濃い血の味が込み上げた。

 唐沢楓はゆっくりと立ち上がり、冷酷な視線を彼に向...

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