第460章

確たる証拠がない以上、唐沢楓に何ができようか。

「実を言うとね、TSチャンネルに人を送って内偵を進めていたの。そこで斎藤士夫の元同僚を見つけたわ。彼らが言うには、当時あなたたち二人は随分と親密だったそうじゃない。彼は水原奥さんから一銭も受け取らず、喜んであなたの腰巾着になり、安全確認だのなんだの、甲斐甲斐しく世話を焼いていたとか。そこまであなたに惚れ込んでいた男なら、あなたの物を盗むはずがない。仮に盗んだとしても、それは水原奥さんへの歪んだ愛ゆえ、ということになるわね」

唐沢楓は美眸を細め、見る者を戦慄させる冷笑を浮かべた。「つまり、彼はあなたのためなら何でもする。それが、計画的な殺人で...

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