第469章

葵原千弦は涙をこらえながら、力強く頷いた。

お腹を空かせたまま駆けつけてきたこの少女のために、唐沢楓は自ら厨房に立って麺を茹で、新田古美が漬けたお新香まで用意してあげた。質素だが、心のこもったもてなしだった。

千弦は夢中になって麺を啜り、あっという間に平らげていく。よほど腹を空かせていたのだろう。

「美味しい?」

唐沢楓は彼女の向かいに座り、片手で頬杖をつきながら微笑みかけた。

「美味しいです、すっごく美味しいです」

千弦はスープまで飲み干し、満足げに口元を拭った。

「唐沢さん、本当にお料理がお上手なんですね。水原社長はあなたを奥様にできて、本当に幸せ者です」

その言葉に、傍...

ログインして続きを読む