第471章

七瀬征龍は二人の前へ駆け寄ろうとしたが、年のせいか足元がおぼつかず、石に躓いてしまった。

そのまま前のめりによろめき、唐沢進平夫婦の目の前で派手に転んで、まるで土下座のような体勢になってしまった。

唐沢進平と風野早由美は、困惑したように顔を見合わせた。

七瀬征龍は手を捻ってしまったらしく、痛みに顔をしかめている。

「父さん、大丈夫ですか」

七瀬烈司が慌てて歩み寄り、七瀬征龍を抱え起こした。だがその内心では、込み上げてくる笑いを必死に堪えていた。

この老人の子を想う気持ちとやらには、ほとほと感心させられる。

七瀬征龍は体裁など気にする余裕もなく、唐沢進平の腕をがっしりと掴んだ。

...

ログインして続きを読む