第472章

「よかった、手術のほうが重要だから……」

唐沢楓の視界がふと一瞬揺らぎ、体が微かに震え、足元がふらついた。

「気をつけて、楓」

彼女が倒れるのを恐れ、七瀬烈司はとっさに腕を伸ばしてその細い腰を抱き寄せ、手のひらでしっかりと腰の横を支えた。

その光景を目の当たりにした七瀬家の面々は、互いに顔を見合わせ、何とも言えない微妙な視線を交わした。

唐沢のお嬢様と烈司がこれほど親密なのだから、どう見ても結ばれるに違いない。

ただ、七瀬家における烈司の地位を考えると、唐沢のお嬢様には少し釣り合わないのも事実だ。

「大丈夫です」

唐沢楓は小さく息を吐き、七瀬烈司の腕の中からそっと抜け出した。...

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