第476章

七瀬東司が口にしていたような凶悪な面持ちとは全く異なっていた。

「烈司、少し二人きりで話せる?」唐沢楓の口調は自然で、愛情深さが滲み出ていたものの、その奥にある真剣さを隠しきれてはいなかった。

「ああ」

二人が立ち去る後ろ姿を見つめ、七瀬征龍は満足げに頷いた。

「佐治、お前も烈司と楓はお似合いだと思わないか?」

七瀬佐治は声を潜めて尋ねた。「まさか……本当に東司様をお見捨てになるおつもりですか?」

「今の状況で、唐沢楓が東司に嫁ぐ可能性がまだ残っているとでも思うのか?」

七瀬征龍は七瀬烈司の後ろ姿をじっと見つめ、意味深長な視線を送った。「烈司と楓には幼なじみとしての情があるし、...

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