第481章

唐沢楓は顎を撫でた。うん、確かに問題はない。

もしこの風野が、目の前にいるどう見ても気に食わない、しかも自分に恥をかかせた『誘拐事件』の首謀者である女こそが、あの白石様だと知ったなら。

さきほど口にしたお世辞を心底恥じ入り、穴があったら入りたいと思うに違いない。

「あの白石様でさえ救いの手を差し伸べるほどの男性です。まさか風野先生は、彼の人格を疑うとおっしゃるのですか?」

唐沢楓は余裕の笑みを浮かべて問い詰めた。「それって、ご自身の推しの人格を疑うのと同じことではないでしょうか」

どう聞いても、これは道徳的優位に立った強要である。

だが事ここに至っては、この風野を丸め込むために手...

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