第483章

七瀬烈司は冷ややかな視線を彼女に投げかけ、菅野に命じた。

「あの男が誰か調べろ。素性も、背景もすべてだ」

「かしこまりました、七瀬社長」

芹沢加穂は膝の上で両手を握り締め、スカートの裾を力強く掴んでいた。

あの男には、少し申し訳ないことをしたと思っている。

だが彼女は知っていた。七瀬烈司とはそういう男なのだ。自分の所有物に他人が少しでも触れることは、彼にとって略奪と同義である。

それは裏を返せば、七瀬烈司が自分にほんの少しでも本心を向けてくれているという証ではないだろうか。たとえその気持ちが、唐沢楓という存在に付随するものであったとしても、彼は私のことを、ほんの少しでも好きでいて...

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