第484章

「あいつは俺の友達じゃない。俺の弟で、それに楓の兄さんだ」

唐沢翔は顔色一つ変えず、スーツのジャケットを脱いで和泉郁佳の肩に掛けた。「安心しろ。あんな奴ら、あと十人束になってもあいつの敵じゃない。今夜は食い過ぎたって言ってたからな、腹ごなしの運動だと思えばいい」

「先生の、お兄さん?」和泉郁佳は目を丸くした。「どうりで、目元が先生に少し似ていると思いました。でも、どうしてあなたとは全く似ていないんですか?」

「俺の母親は最初の出産が四つ子でね。俺は次男で、長男と顔が似てるんだ」

普段の唐沢翔なら、決して他人に家族の事情など話さない。だがどういうわけか、彼女が好奇心を示せば、それに答え...

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