第487章

唐沢翔は暗い瞳を伏せた。「隠し子だったんだ。今まで世間に公表されていなかっただけで」

「何ですって?」

唐沢楓は椅子から勢いよく立ち上がり、信じられないという顔で唐沢翔を睨みつけた。「隠し子? 和泉家の隠し子だっていうの?」

「だから、自分の生い立ちをお前に隠していたのも無理はないさ」なぜか唐沢翔は、和泉郁佳の身辺調査の結果を見て、ひどく胸の塞ぐ思いがしていた。

悲しみや不幸を外にひけらかす人間よりも、和泉郁佳のようにすべてを心の内に秘め込む人間のほうが、かえって彼の庇護欲を掻き立てる。

「郁佳……本当にバカなんだから」唐沢楓は心臓を刃物でえぐられたような、息もできないほどの痛みを...

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