第489章

「いえいえ、滅相もございません。唐沢さん、どうぞこちらへ」スタッフはひたすら愛想よく振る舞い、先ほどの唐沢美佑に対する態度とはまるで別人のようだった。

「ありがとう。こちらの風野さんは私の友人なのですが、一緒に入っても構いませんか」唐沢楓は微笑みながら尋ねた。

「もちろんでございます。どうぞ、お入りください」

唐沢楓と風野英良は、恭しく宴会場へと案内された。

その場に一人取り残された唐沢美佑は、怒りで顔を真っ赤に染め、地面を強く踏み鳴らした。

幼い頃からずっとそうだった。いつ、どこであろうと、自分がどれほど努力して完璧に振る舞おうと、唐沢楓が現れるだけで、すべての輝きをあの女に奪わ...

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