第524章

林田瑛太は腕を上げて見せようとしたが、悲しいかな持ち上がることはなく、いささか困惑したような笑みを浮かべた。

「ご心配には及びません。すぐに元通りになって、またお嬢様の傍でお仕えいたします」

「腕が治ったら、もう私の秘書として残らなくていいわ」

「お嬢様、私を……お見捨てになるのですか?」

林田瑛太は唇を震わせながら、重い体を引きずってよろよろと唐沢楓の前に歩み寄った。

「私の足手まといが嫌になったのでしょうか。確かに、私の腕前は到底及ぶものではありません。ですが、どうかもう一度だけチャンスをください。これからは必ず格闘技を必死に磨き、必ずやお嬢様をお守りしてみせます」

水原悟は...

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