第528章

三年前、彼女は彼の妻となったが、彼がその熱い想いに応えてくれたことは、ただの一度たりともなかった。

水原悟は憔悴しきった顔を背け、何度も堪えてようやく涙を飲み込んだ。取調室ではすでにひどく取り乱してしまったが、愛する女の前でこれ以上、脆く崩れ去るような姿は見せたくなかった。

「あなたが承知しようとしまいと、今夜は絶対にそばにいるわ。ホテルに泊まるなら私もホテルに泊まるし、歩道橋の下で寝るなら私もそこで寝る」

唐沢楓が意地を張ると、あの水原悟でさえも敵わなかった。

水原悟の蒼白な頬がわずかに赤らみ、胸の鼓動が激しく打った。

「それなら……今夜はお邪魔する」

男の低い声が響く。

「...

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