第60章

「おじいさん、やめておいた方がいいんじゃないでしょうか……」

唐沢楓の複雑な表情を見て、金田おじいさんは彼女が恥ずかしがっているのだと思い込み、断固とした口調で言った。

「そんなことあるか、これはお前が当然受けるべきものだ!」

しかし、傍らにいた水原おじいさんは、金田おじいさんの考えを聞いて、顔に浮かべていた笑みが凍りついた。

どうも自分が悪いことをしてしまったような気がする。この金田のじじいに手を貸してしまったようだ!

水原おじいさんが家に帰るなり、大切な孫に電話攻めを始めた。

「どうしたんですか、おじいさん?」

書類に目を通していた水原悟は片手に携帯電話を持ち、もう片方の手...

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