第112章

やわらかな水の流れが渡部綾香の肌を撫でる。湯気の向こうで、これから起きることを思い出してしまい、どうしても頬が熱くなった。

――その次の瞬間。

浴室のドアが開いた。

相手が鈴宮京也以外ありえないとわかっていても、綾香は反射的にそちらを見てしまう。

鈴宮京也はいつの間にか一糸まとわぬ姿だった。獣じみた体つきが、目に飛び込んでくるだけで息を奪う。逞しい脚の間には、常人離れしたそれがぶら下がっていた。

視線がそこに吸い寄せられ、綾香は思わず身を震わせる。あれが自分に与えた痛みと屈辱を、忘れられるはずがなかった。

慌てて言いかける。

「鈴宮さん、まだ……準備が……」

「平気。いっしょ...

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