第124章

透きとおるグラスが床に砕け散り、金色のシャンパンがあちこちへ流れ出す。堤防が切れた濁流みたいに、一瞬で会場はぐちゃぐちゃになった。

ドンッ――という破裂音と、じゃらじゃらと続く破砕音。胸の奥がびりびり震える。

鈴宮京也はその惨状を一瞥もしない。腰を折り、散らばった破片の中から、半分だけ残ったワインボトルを拾い上げた。裂けた縁は獣の牙みたいにギザギザで、握った首元からは冷たい殺気が伝わってくる。

そして、目を見開いたまま顔面蒼白の鈴宮智也へ――一歩、また一歩と近づいていった。

歩みは速くない。なのに、嵐の前触れみたいな圧が重くのしかかる。獲物を見据える猛獣の眼。手の中の割れた瓶が、照明...

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