第129章

朝の陽が、重たいカーテンの隙間から差し込み、床に細い光の筋を落としていた。

渡部綾香が目を覚ましたとき、身体は一度ばらばらにされて、また組み立て直されたみたいだった。関節のひとつひとつが、じんわりと鈍く痛む。

身じろぎすると、背後の男がすぐに腕をきゅっと締め、腰を抱き寄せてくる。逃がさない、とでも言うみたいに。

「起きたか」

耳元で落ちる低い声。寝起き特有の掠れが混じっていて、熱い息が首筋をくすぐった。

鈴宮京也の唇が肩に触れ、そっと、柔らかなキスが落ちる。

綾香は小さく息を呑んだ。

軽すぎるほどのキス。昨夜、理性の鎖が外れたみたいに求めてきた男とは、まるで別人だ。

振り向い...

ログインして続きを読む