第135章

彼は一拍置き、言葉を区切って告げた。

「物で交換できる。鈴宮家名義の国際海運ルートが三本ある。年間の取扱高は5億を超える。そのうち一本の運航権を、闇夜に譲る。永久に」

ドクターの呼吸が、ほんの一瞬止まった。

国際海運ルート三本。それは鈴宮家の生命線のひとつだ。年間5億超の取扱高となれば、利益は推して知れる。

鈴宮京也が父の死因に繋がる手がかりのために、その一本を差し出すという。

その誠意は、誰の胸をも揺らすに足りた。

ドクターの瞳孔がかすかに収縮する。だが表情は、水面のように静かなままだ。

「鈴宮さん、ずいぶん豪気ですね」

ドクターはグラスを取り、赤をひと口含む。

「ですが...

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