第21章

部屋へ戻ると、ベッドの縁にちょこんと座り、軟質ゴムの弾を撃つ玩具の拳銃を黙々と弄っている鈴宮深が目に入った。

その姿を見た瞬間、渡部綾香の胸に張りついていた冷たさが、ほんの少しだけほどける。

今日、彼をトラへ連れて行ったのは、気分転換をさせたかったからだ。家に残せば、林野佳恵みたいな連中にまた絡まれる。そう思って。

だが、村野の招待状が現れたこと。

そして林野正明が、待ってましたとばかりに株をせびってきたこと。

それらが、はっきりと突きつけてくる――渡部家という泥沼は、日に日に危険度を増している。

明日の夜のサロン晩餐会は、何が起きるかわからない。

鈴宮深を、この虎狼の巣にひと...

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